富士信仰のいにしえに想いをはせる旅

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霊峰富士、国内最高峰の山(3776m)、日本の象徴的な存在と言われ、その存在感を漂わせているのが富士山です。

記紀(古事記、日本書紀)には出てきませんが、ホツマツタヱではアマテルカミ(天照大御神)が生まれたのはハラミ山(富士山)の麓だと記されています。
 

日本人にとって特別な存在である富士山は、古来より信仰や崇拝の対象とされてきました。
 

富士信仰に基づく集まりはいくつかありますが、その一つが富士講です。

富士講では、「水行」「断食」「道行」を基本として、「ミネイリ=お山かえり=富士登拝」を集大成としています。
 

もう一つ、「お山かえり」とともに大切な「行」として取り組まれてきたのが「八海(八湖)巡り」で、その一つが箱根にある芦ノ湖です。

今回ご縁を頂き、「富士御法家 同氣会」が主宰する箱根芦ノ湖巡りに参加させて頂きました。

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芦ノ湖一周約23キロ。

なかなかこのような長い距離を歩く機会はありません。
 

よく分からないまま参加してしまいましたが、とても貴重な体験となりました。

知らない世界、まだ見ぬ世界を体験するのは、やはり樂しくてワクワクしますね。

御縁と話の流れで決まった箱根芦ノ湖巡り

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久しぶりの箱根。

以前訪れたのは10年くらい前でしょうか。
 

芦ノ湖と言えば、遊覧船というイメージがパッと浮かぶ人は多いかもしれません。

私もそうです。
 

実際、遊覧船は乗ったことがありますが、

そもそも、芦ノ湖を歩いて一周するという発想がありませんでした(笑)
 

キッカケは、先月末に参加させて頂いた にんげんクラブの「いときょう先生の古代史ホツマツタヱの旅Ⅱ~瀬織律姫ゆかりの地」でした。

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特別ゲストとしてご一緒させていただいた「検証ほつまつたゑ」の編集者でもある原田武虎先生から「冨士御法家 同氣会 箱根芦ノ湖巡り」のご案内を頂いて、「なんか面白そう!」と思って。

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原田武虎先生とは1年くらい前に御縁があり、一度お会いさせていただいたことがありました。

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ホツマツタヱを20年以上も学ばれていて、先程の「検証ほつまつたゑ」にはホツマツタヱのことが、かな~り詳しく書かれています。

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言い方を変えれば、かなりマニアック。

でも、ホツマツタヱについて、それだけ学べることがたくさん詰っているということです。
 

博識ですごい先生なのですが、お人柄はとにかく氣さくで、

「とらさんでいいですよ」なんて言ってくださるので、私は「とらさん」と呼ばせて頂いています。

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「とらさんはホツマツタヱにすごく詳しい先生」

ということしか存じ上げなかったのですが、

「冨士御法家同氣会」の代表として、古流の冨士信仰をお伝えする活動をされていることを初めて知りました。

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今回の芦ノ湖巡りもその一環で、芦ノ湖全周(約23キロ)を6時間かけて歩きます。
 

この日は九頭龍神社の月次祭。

毎月13日に行われるそうで、こちらにも参加してきました。

待ち合わせは三島駅

今まで静岡県にはあまり御縁がなかったのですが、今年に入って3回目。

この三島駅も毎月のように来ています(笑)
 

早朝に三島駅で待ち合わせをして、車で駒形神社まで移動です。
 

白衣(上着)をお借りできることは聞いていましたが、鈴が付いた杖と白い鉢巻が!?

鉢巻なんて体育祭以来でしょうか。

なんか本格的な感じでテンション上がりました(笑)
 

というか、いただいた資料には、

「古流の冨士信仰を現代に伝承すべく実践し楽しもうという主旨で、、、」

と「楽しもう」と書かれていますが、そもそも本格的な行の一環でもあるんですよね。
 

でも、よく分からないまま参加したとはいえ、

白衣をまとい、白い鉢巻をして、杖を持つと、自然と身が引き締まってきます。

旅立ちの聖地、駒形神社でご挨拶

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まず、駒形神社にて、旅立ちのご挨拶をします。

駒形神社 由緒

駒ヶ岳を仰ぎ見る芦ノ湖南岸に鎮座する駒形神社は、駒ヶ岳の地主神 駒形大神を祀る古社であります。古くは「駒形権現(こまがたごんげん)」「荒湯駒形権現(あらゆこまがたごんげん)」と呼ばれ、その淵源は遙か悠久の昔、駒ヶ岳の山岳信仰に遡ると云われ、関東総鎮守として武門の崇敬を集めた箱根神社の社外の末社として尊崇されてきた町内の鎮守様。地元の住民には、古くから「駒形さん」と親しまれています。
境内には駒形神社のほか、「箱根七福神 毘沙門天社」「蓑笠明神社」「犬塚明神社」が鎮座しています。

引用:箱根 駒形神社HP

御祭神は、天御中主大神(あめのみなかぬしのかみ) 素戔鳴尊(すさのおのみこと) 、大山衹神(おおやまづみのかみ) の三柱の総称で駒形大神と呼ばれています。
 

とらさんが「行入りの御唱拝」を唱えてくれますが、

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私たちは全然分からないので、「参明藤開六根清浄(さんみょうとうかいろっこんしょうじょう)」だけを一緒に三度唱えました。

ご挨拶を済ませて、いよいよスタートです。
 

旧東海道の杉並木を抜けると、元箱根の湖畔へ。

この日は朝から晴天なので、富士山をしっかりと拝むことができました。

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(※くっきり写っている写真がないのでこちらの写真を。雲が覆いかぶさっていますが奥が富士山です。)

ただ、とにかく風が強い。
 

九頭龍神社に着くと、たくさんの人で賑わっていました。

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九頭龍神社の御祭神は九頭龍大神です。

当神社は、芦ノ湖の九頭龍伝説を今に伝える龍神信仰の聖地であり、社前の湖には奈良時代に箱根権現を建立した萬巻上人と、九頭龍大神ゆかりの祭場をひかえています。この伝説を今に再現する龍神湖水の神事 まつりが毎年6月13日の例祭に、また毎月13日の月次祭に崇敬者が参集して厳かに斎行されています。

神社の由来は、社傳によると
「西汀に驛路有り。毒龍は波を凌ぎ、雲を拏(とら)ふ。人民は多く損害免れず。萬巻は彼の深潭(しんたん)に臨んで石臺(せきだい)を築きて祷らせしむ。爾に毒龍は形を改め、寳珠并に錫杖(しゃくじょう)水瓶を捧げて乞ひて受降を要す。」(箱根山縁起并序)とあります。

その昔、人民に被害を与えていた毒龍に対し、萬巻上人が湖中に石壇を築いて調伏の祈祷を行ったところ、毒龍 は形を改め、寳珠并に錫杖を捧げて帰依し、龍神となりました。今では、多くの人々に開運隆盛はもとより金運守護、商売繁盛、縁結びの龍神様として崇められています。

引用:箱根神社HP

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(※写真がなかったので、以前撮ったものをお借りしました)

私たちも月次祭の祭典に参加するために、その賑わいの中へと入っていきます。
 

じっとしているので、とにかく寒かったですが、月次祭に参加できてよかったです。

なかなかこのような機会に恵まれることってないですから。
 

でも、寒い中、本当にたくさんの方々が参列されていて驚きました。
 

みんなで参拝をして、昼食を食べる場所へと移動です。
 

自販機があったので、温かい飲み物を買おうとお金を入れましたが、なぜかお金が戻ってきます。

「釣銭が切れているのかな」と思ったのですが、作動してなかったようです(笑)
 

風が強いので、木々が風をさえぎってくれる場所を探して、みんなでランチタイム。
 

ひたすら歩く芦ノ湖巡り。

束の間の休憩ですが、この時点ではあまり疲れた感じはありませんでした。
 

ランチを終え、またひたすら歩きます。

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平坦な道もありますが、起伏が激しい場所もあり、ぬかるんで一瞬足を取られそうになることも。

みんなの杖に付いている鈴がリズミカルに音を響かせています。


 

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道すがら、スタート時に頂いた資料「ホツマツタヱで読み解く 八頭と九頭とオロチと三姉妹」に沿って、とらさんがいろいろとお話をしてくださいます。

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歩きながらだと読めないので、よかったら後で目を通してみてくださいと渡されたものです。
 

私なりにまとめたことを少し書いてみますね。
 

ホツマではアマテルカミの13人の后の1人であるモチコの怨念によるねじ曲がった霊が九頭の蛇に転生したとあります。

モチコはアマテルカミの子であるホヒ(天穂日命)を生みますが、セオリツ姫が生んだヲシホミミが皇位を継いだことが不満で、セオリツ姫に恨みを持っていたからです。

そして、トガクシにより霊断ちされ、戸隠神社の九頭龍社に祀られました。
 

古事記にも登場する八岐大蛇(ヤマタノオロチ)も、ホツマでは、人のねじ曲がった怨念による反体制勢力として記されています。
 

記紀神話でも有名な「天岩戸隠れ」、「天照大神と須佐之男命の誓約」、「須佐之男命が罰せられ出雲へと流離う」などのお話もありますが、

ホツマを読み解くと、この一連のお話が、ソサノヲやモチコ、ハヤコ(アマテルカミのお后の一人で、モチコの妹、宗像三神を生む)、タケコ(奥津島姫)、タキコ(江島姫)、タナコ(市杵島姫)の宗像三神など、様々な人間模様(ホツマでは神様を人として描かれています)や思惑がぶつかり合い、絡み合う様子などが具体的に描かれていて、また違った視点を持つことができます。
 

というか、詳しく知ると、

「古事記の神話的な記述はこれが元になっていたのかも」

ということが腑に落ちるかもしれません。

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(※「ミハタの七 遺し文罪を断つアヤ」に、古事記でいうところの天岩戸隠れや誓約のエピソードが載っています。内容の違いに、えっ!?と驚くかもしれません。)

もちろん、ピンとこない方もいるでしょう。

解釈や感じ方は人それぞれ、それでいいのです。
 

ひたすら歩きながらではありますが、道すがらに聞くホツマのお話もまたいいものだなあと思いながら、とらさんのお話に耳を傾けていました。
 

途中で、岩や川など氣脈のところで氣を頂くという方法を教わります。

人差し指と中指を伸ばして合わせ、「エイ!」という掛け声とともに、額の辺りから前方へ伸ばして、戻すというものです。

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何度も大きな岩や川など氣脈のところで立ち止まり、氣を頂きます。

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いよいよクライマックスが近づき、「神山」を遥拝する浜に立ち寄りました。

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とらさんが富士山とコノハナサクヤ姫が描かれた御札を立て、お供え物を準備するのを待ち、

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みんなで「御唱拝」をします。

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「御唱拝」が終わると、みんなでお米や塩などのお供え物を芦ノ湖へと蒔きました。

御下がりのご神饌をいただき、

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もうひと踏ん張り、最後の道のりを歩きます。

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とらさんから言われて氣づいたのですが、

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芦ノ湖の方へ目を向けると、ぐるりとこんなに歩いてきたんだなあというのを視覚で捉えることができます。

山の場合、自分たちが歩いた道のりの全体像を観ることはできませんが、湖の場合はそれができるんですよね。
 

最近は立体、立体という方へ意識が言っていますが、これは平面だから分かることだなあと思いました。
 

とにもかくにも、もうひと踏ん張り。

あと30分くらい。
 

でも、意外と疲れはあまり感じずに、足も痛くありません。
 

歩きに歩き切り、

最後はまた駒形神社でご挨拶をしました。
 

ところが神社を出た辺りでホッとしたのか、左足の外側に痛みが。

やはり疲れていたんですね(笑)
 
 

この後は直会です。

箱根湯本まで車で移動して、温泉に入りました。

1日の疲れがすーっと抜けていくようで、本当に氣持ちよかったです。
 

温泉の後は、お酒を呑みながら食事をしました。
 

約23キロの道のりをみんなで歩きに歩いた6時間。

やり切った安堵感と喜びと共に話も弾み、樂しい夜はあっという間に過ぎていきました。
 

会計を済ませ、帰ろうとしたときに、ちょっとした大騒ぎ(?)になったのがこちらのお神輿です。

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このお神輿の三つ巴もそうなのですが、下の方にある紋様が、

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麻の葉紋様、すなわち神聖幾何学のフラワーオブライフとなっているんです。

この紋様が四方に刻まれているのですが、お神輿でこの紋様を見たのは初めてかもしれません。
 

「えっ、麻の葉紋様は別に珍しくないですよね?」

と思った方もいるかもしれませんが、この紋様がお神輿に刻まれていることに驚いたんです。
 

なぜそうなのかは、ちょっとここでは書けません(笑)
 

それにしてもこのお神輿は、どなたが作られたのだろう?

今度来たときに、ホテルの人に聞いてみよう。

最後に、、、

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芦ノ湖を一周すると言う初めての体験は、とても有意義な時間となりました。
 

23キロを6時間で歩き切るという達成感はもちろんありますが、この「冨士御法家 同氣会 八湖めぐり」はただのハイキングではないんですよね。

古来より伝わる富士信仰をもとに、身を律し、身を清めるという修行の一環で、そういう意味では、今回体験したことはまだまだ入り口も入り口の序章に過ぎないのでしょう。
 

でも、私を含め、「なかなか本格的な修行までは、、、」と思う方も多いのではないでしょうか。

そんな方にも富士信仰の精神を垣間見させてくれる場として、砕けた言い方をすると、初心者が体験しやすいような場として、機会をご提供してくださっていることが有り難いです。
 

引率する方がいらっしゃらなかったら、ただのハイキングになってしまいますしね(笑)

これを機に、もっと深めたい方、体験として知っているだけでもいいという方、人それぞれだと思いますが、やはりキッカケって大事です。
 

とらさんの冨士信仰を大切に想う心は、「将来構想案」と書かれた項目にも表れています。

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私も今年に入ってから、山にすごく惹かれています。

急に高尾山に行きたくなって、登ってみたり。
 

本格的な登山はしたことはないのですが、富士山に登ってみたいという想いもあります。

森羅万象に神が宿るといいますが、

「大自然の中に身を委ね、意識が拡大する感覚をもっともっと感じてみたい」

そんな想いが自分の中にあるからです。

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ここ数年、加速度的に、時間が過ぎるのが本当に早く感じます。

今日のこともまた、新たな1日が次々と重なっていくと、どんどんと過去のことへとなっていくのでしょうが、

とらさんから頂いた「修了証」を見るたびに、一瞬で、みんなで過ごした素晴らしいあの時間に戻れそうな氣がします。

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とらさん、一緒に参加した皆さま、素晴らしい時間を共にできたことを心より感謝しております。

ありがとうございます!

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今回と同様の芦ノ湖巡りは4月13日(土)にもあります。

ご興味ある方はぜひご参加ください!

富士御法家 春の芦ノ湖巡り

あっ、ちなみに、主催者のとらさんこと原田武虎先生は沼津で「さかなや千本一」という魚河岸割烹料理店を営んでおられます。

地元に親しまれる昔ながらの魚河岸割烹料理店「さかなや千本一」