静岡から愛知県へ

【前回記事『西へ、西へ、南へ、西へ』~青春18切符4日間の旅①(静岡県・瀧川神社編)の続きです。】
 

大瀧神社から三島駅へ戻る途中、歩きながら次に訪れる場所をどうしようかとアンテナを張っていました。
 

頭に浮かんだのは愛知県にある氷川姉子神社。

ヤマトタケ(日本武尊)の后であるミヤズヒメ(宮簀媛)が祀られている神社です。
 

ここも昨年10月にご縁をいただき、訪れた神社で、とても印象に残っていました。
 

ヤマトタケ(日本武尊)といえば、

ヤマトヲシロワケ(景行天皇)の皇子で熊襲、東国征討を行った伝説的英雄。
 

古事記、日本書紀を読んで知っている方もいれば、

読んだことないけど名前は聞いたことあるという方もいるでしょう。
 
 

ホツマツタヱにも、ヤマトタケ、ミヤズヒメ、そしてオトタチバナヒメのエピソードが載っています。

実は、「ホツマツタヱ」の成立はヤマトタケ(日本武尊)が大きく関わっているのです。
 

ヤマトタケ(日本武尊)の遺言を受けた父ヤマトヲシロワケ(景行天皇)が、

オオタタネコ(大田田根子命)に編纂を命じて成立したと言われているからです。
 
 

オトタチバナヒメとミヤヅヒメはヤマトタケのお妃です。

ヤマトタケとこのお二人の妃とのエピソードには心が動かされるものがあります。

後ほど、ホツマツタヱにあるエピソードをご紹介しますね。
 
 

JR東海道線、10時12分、三島発、静岡行きの電車で先へと進みます。

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あっ!?

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ここで乗り換えだ!
 

興津乗り換えだったのですが、とにかく感じていることを、

忘れないうちに残したいとスマホにメモをしていたら、危くそのまま乗っているところでした。
 

パッと目に入った興津の駅名にハッとして飛び降ります。

やれやれ(笑)
 

東海道線3度目の乗り換え、11時4分、興津発浜松行きに乗り、12時32分に終点浜松へ。

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東海道線、4度目の乗り換えとなる次の電車は、浜松12時45分発、豊橋行。

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浜松駅では乗り継ぎの時間が13分。
 

何回か東海道線を乗り継ぎ、愛知や京都へ行っていますが、

乗り換え時間は短くて、ほとんどないと言ってもいいくらいです。
 

10分あるといい方で、チョットほっとしますね。

長旅だし座れるのは有難いのですが、座りっぱなしもお尻が痛い(笑)
 
 

13時28分、豊橋着。

東海道線、5度目の乗り換えは、豊橋13時30分発、大垣行き。
 

2分しかないので急いで階段を駆け上がりました。

豊橋の駅名の写真がちゃんと撮れなかった(笑)

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14時15分、名古屋へ到着。

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東海道線、6度目の乗り換えは名古屋14時18分発、大府行き。

大高駅14時33分着です。

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熱田神宮摂社 氷上姉子神社へ

大高駅に着いて、徒歩で氷上姉子神社へ向かいます。
 

「ん!?」

ふと、空を見上げると、なんだかどんよりして、空模様が怪しい。
 

今日は晴れというアタマしかなかったので、

意外な感じがしましたが、とにかく歩き始めました。
 
 

5分くらい歩いたころでしょうか。

案の上?ポツリ、ポツリと雨が降ってきました。
 

大丈夫だろうと、そのまま歩き続けましたが、雨足はどんどん強くなってきます。

グーグルマップを見ると、あと12分くらいと表示されています。

折り畳み傘は持っていましたが、なんだか出すのが億劫で少しスピードを上げて先を急ぎました。
 
 

途中、右手に石神白龍大王と書かれた小さな御社があり、

なんとなく気になりながらも、とにかく今は氷上姉子神社へ行くことが先決と思い、そのまま先へ。

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氷川姉子神社の文字が目に飛び込んできたときはホッとしました。

階段を上がると、右手に鳥居があります。
 

どうやら正面ではなく、横から入ってきたようです。
 

ここ氷川姉子神社は、昨年10月に、

神様(神社)と人とのご縁を繋ぐ活動をされている吉野由美さんにご案内していただきました。

ヤマトタケ(日本武尊)の妃ミヤズヒメが御祀りされています。
 
 

ヤマトタケ(日本武尊)といえば、冒頭でも書いたように熊襲・東国征討で有名ですが、

お二人のお妃(オトタチバナヒメ、ミヤズヒメ)とのエピソードにも心を動かされます。
 

ホツマツタヱに載っている一部をご紹介しますね。

オゝイソを カヅサえわたす

いくさぶね たゞよふカゼを

しつめんと オトタチバナは

へにのぼり あめつちいのり

わがキミの いつをヤマトに

たてんとす われキミのため

たつとなり ふねまもらんと

うみにいる もろおどろきて

もとむれど ついにゑざれば

なみなきて みふねつきけり
 
 

大磯から上総に船で渡ろうとした時のことです。

暴風で軍船が漂い、その風を鎮めようとして、

オトタチバナ姫は船の舳先に登り

「天地に祈り、わがキミの稜威(いつ)をヤマトに立てんとす。吾キミのため龍となり船を守らん」

と言い遺し海に身を投じました。

諸(もろ)驚き姫を助け上げようとしましたが、かないませんでした。

やがて波が凪ぎ、御船は無事上総に着くことができました。

引用:やさしいホツマツタヱ ミハタの三十八ー四十/いと きょう著 P61~P62

嵐に遭遇し、自らの身を海に投じることでヤマトタケを救ったのがオトタチバナヒメです。

表現は違いますが、古事記、日本書紀にも載っていますので、ご存知の方もいるのではないでしょうか。
 

オトタチバナヒメ亡き後、妃となったのがミヤズヒメです。

ヤマトタケは伊吹山に荒ぶる神がいると聞き、神剣(草薙剣または叢雲剣)をミヤズヒメのもとに置いたまま、征伐に向かいます。
 

しかし、ヤマトタケはそのまま帰らぬ人となってしまうのです。

ミヤズヒメは、ヤマトタケが生きていたときと同じように、ヤマトタケのために昼飯を用意します。

ありつよの アイチダにまつ

キミがひるめし

ミタビのり いざよふつきの

ほがらかに シライトリきて

これをはみ なるしらくもに

カミのこえ こたふつゞうた

ありつよの はらみつほしき

ちりをひるめし
 
 

「在(あ)りつ世の アイチ(愛知)田に待つ キミが昼飯」とミヤヅ姫がこの歌を三度宣りますと、

十六夜月(いざよふつき)のさす光の中から朗らかにシライトリ(白鳳)が舞い降りてきて

これ(昼飯)を食(は)み、白雲の中に飛び立ちました。

やがて白雲の中より神の声がしてきました。

それはミヤヅ姫に歌に応えた十九歌(ツゞうた)でした。

「在(あ)りつ世の ハラミつほしき ちりを昼飯」。

引用:やさしいホツマツタヱ ミハタの三十八ー四十/いと きょう著 P128~P129

去年の10月にここを訪れるまで、

ミヤズヒメのことは知らなかったのですが、

吉野由美さんに、この三人にご縁がある神社を案内され、お話を聞いたことで、

物語がすっと深いところに入ってきたんですよね。
 

場の力って大事だなとつくづく思いました。

実際に関連する場所で話を聞くと、

知識と感覚が相まって、情報(知識)の密度がグッと増すからです。

(※この三人のエピソードについては、こちらの記事にも書いてあります⇒『ヤマトを想う心』
 
 

半年振りで、なんだかとても懐かしい。

一礼して鳥居をくぐり、手水舎で手と口を清めます。

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境内には誰もいなくて、静まり返っています。

少し肌寒く、雨の音だけが聞こえてきます。
 

荷物を脇に置き、拝殿の前に立ち、しばらくその場の雰囲気を感じていました。

静まり返った境内で耳に入ってくるのはシンシンと降る雨音だけ。
 

お賽銭を入れ、手を合わせると、

なにか温かいエネルギーがブワっと手からカラダの中へ入ってくるのを感じました。

心地よくて、しばらくそのままじっとそのエネルギーに身を任せていました。
 

雨音も耳に入ってこなくなり、ただ静寂の中に包まれて、

「また、ご縁をいただきありがとうございます」

とお伝えしました。
 

目を開け、我に帰ると再び雨音が聞こえてきます。
 
 

「元宮はどこだっけ?」

と拝殿の横へ回り、奥へ行こうとしましたが、道はない様子。
 

半年前はご案内されるままだったこともあり、かなり記憶が曖昧です。

検索をすると正面の鳥居を出たところ、道を挟んで、ちょうど反対側にあることが分かりました。
 
 

鳥居を出ようとしたとき、もう一度拝殿に向かってお辞儀をしようとしたときです。

さっきまで降っていた雨が止み、青空が見えています。

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「えっ?」

偶然かもしれませんが、なんだか歓迎されているような気がして思わず嬉しくなってしまいました。
 

鳥居を出て、一礼して正面にある鳥居を目指します。

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少し歩くと鳥居が見えて、その反対側にもう一つ鳥居があることが分かりました。

ミヤズヒメの館があったといわれる元宮へ

鳥居を出て一礼をして、車が何台か通り過ぎるのを待ってから道を渡り、元宮の境内へと入ります。

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やはり懐かしい感覚がして、この場の雰囲気、感覚を味わっていました。

少し行くと、右手に神明社があります。

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人とのご縁、神様とのご縁。

この世はご縁が繋がって、さまざまな物語が展開していきます。

その有り難さを感じながら、手を合わせました。
 

少し進むと元宮と碑が見えてきます。

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荷物を降ろし、辺りを見渡しながら、場の雰囲気をじっくりと感じていました。

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ところどころに桜が咲いています。
 

ミヤズヒメの館があった場所だと言われる元宮。

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目をつむり、手を合わせ、しばらくじっとしていました。

静まり返った、穏やかな感覚が伝わってきます。
 

先程感じた暖かさとはちょっと違うのですが、穏やかな、優しい感覚が伝わってきて、

その感覚に意識を向けていると、フワっと柔らかい風が左から吹いてきました。
 

「ありがとう」

と声がしたような気がして、その瞬間、ジワっとした感覚を胸で感じ、目が潤んでいました。
 

アイチダニ  (愛知田に)
オモイヲハセル(想いを馳せる)
フタカミノ  (二神の)
アフレルオモイ(溢れる想い)
タマツツマレテ(タマ包まれて)

カミとなったミヤズヒメのヤマトタケへのあふれる想いに包み込まれたような気がして、その余韻に浸っていました。
 

元宮の隣にある碑には、「倭武天皇妃宮簀媛命宅趾 」とあります。

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ヤマトタケは景行天皇の御子ですが、

文献を見る限りは、天皇として即位していなかったことになっています。
 

でも、天皇という名がついても、つかなくても、ヤマトタケが日本にとって重要な存在だったことは確かです。
 

身分に関わらず、この国のために命を捧げた人たちはたくさんいらっしゃいます。

いま僕がこうして日本に肉体をもって存在しているように、

さまざまな時代をこの日本で生きた人たちに想いを馳せていました。
 

名残惜しくはありましたが、時間もあるので、ミヤズヒメに一礼して元宮をあとにしました。

さっきまでの雨が嘘みたいに青空が広がっています。

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グーグルマップを見ながら大高駅へ向かいますが、来る途中、気になっていた石神白龍大王に立ち寄りました。

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御由緒を見ると、氷上姉子神社と関係があることがわかります。

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今年は龍にまつわる神社にご縁があり、ここ愛知でも、新たな龍神様と繋がることができました。

時間があまりなかったので、少しだけでしたが、ご挨拶できてよかったです。
 

大高駅に着き、「熱田神宮にも寄る」という思いがアタマをよぎりますが、

調べると時間的に厳しいことがわかり断念。
 

ここから約5時間、今晩の宿、兵庫県、姫路駅を少し越えた相生(あいおい)駅へと向かいます。
 

東海道線を岐阜行で名古屋駅、大垣行で大垣駅、米原行で米原駅と乗り換え、

琵琶湖線新快速(播州赤穂行)、そのまま姫路駅から山陽本線(播州赤穂行)で相生駅へ。
 
 

ここにきて、急に眠気に襲われます。一日の疲れもあるのでしょうが、

「そう言えば、前日は2時間しか寝てなかったなあ」

ウトウトしながら、そんなことを思ったりしていました。
 

乗り換えがあるとはいえ、さすがに座りっぱなしはお尻が痛くて、最後は少し立っていることに。
 

相生に到着したのが21時15分。

近くのコンビニで缶ビールとワンカップ、夕食を買い、ホテルへ向かいます。
 
 

早朝5時前から始まった長い一日が終わり、ホッとすると同時に、

今日過ごしたかけがえのない時間をホロ酔い気分で思い返していました。
 

「明日はどこへ行こうかな」

そんなことを思いながら、横になると、ベッドに吸い込まれるように眠りに落ちていきました。
 

次の日に起きたことは、この旅の中でもとても印象深いものだったのですが、

この時点では、それを知る由もなく。 

『西へ、西へ、南へ、西へ』~青春18切符4日間の旅③(広島県・厳島神社編)