TAROの詩

そこには全てがあった
太古の昔より
刻まれてきた
人類の絶望も希望も
そこには全てがあった
痛々しい傷も
苦痛の叫びも
果てしなく流れ続けた涙も
ドロドロとしたどうしようもない憎しみも
やり場のない怒りもそこにはあった
真っ暗な闇の中に取り残された孤独もあった
ありとあらゆるものが破壊され
奈落の底まで落ちて落ちていく
失うものはもはやなく
空っぽになっていく
ゼロになっていく
なにもなくなっていく
もう全てが終わり
空っぽの自分
ゼロの自分
空っぽの世界
ゼロの世界
でも終わりなんてなかった
この世界に終わりなんてなかった
空っぽになったとき
ゼロになったとき
湧き上がるエネルギーがあった
生きるというエネルギーがあった
立ち上がろうというエネルギーがあった
再び生きる、再生するというエネルギーがあった
この宇宙は流転を続ける
栄枯盛衰を繰り返す
花は散っても
木枯らしに耐えながら
やがて新たな芽を出す
人の命も肉体も
やがては滅んでいくが
魂は新たな肉体に再び宿る
ここには希望があった
新たな命の誕生を喜び
共に生きていく喜びがあった
人を愛するという喜びがあった
愛する人と共に生きていく喜びがあった
大声で、腹の底から笑うという樂しさがあった
自由に創造するという樂しさがあった
ここは人類共通の記憶の泉
太古の昔より刻まれてきた全てがここにはあった
全てが破壊された絶望がここにはあった
そして、、、
明日を生きるという希望もここにはあった

 

 

5年くらい前のこと。
ひょんなことから岡本太郎に興味を持つようになった。

渋谷駅にある「明日の神話」の壁画、青山にある岡本太郎記念館、川崎にある岡本太郎美術館へ行き、
岡本太郎が生み出した作品の数々に触れ、その根底にあるものを肌で感じてきた。

その奥深さに触れ、この詩が、この作品が生まれた。

明日の神話

岡本太郎記念館

岡本太郎美術館

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